WSL (Windows Subsystem for Linux)
1. WSL のインストール
WSL (Windows Subsystem for Linux) は Windows 上で Linux を動かすためのエミュレーションレイヤー(仮想マシンを動かすためのソフトウェアと思ってもらったらいい)です。最近のWindowsであれば標準で装備されており,WSLの上に簡単にLinuxをインストールして利用出来ます。
WSLをインストールするには,まずターミナル(PowerShell)を管理者として実行します。Windowsのスタートメニューを右クリックすると,メニューが出るので,その中から「ターミナル(管理者)」を選択します。
ターミナルの中で以下のように実行します。
wsl --install
うまく行けば Ubuntu と Linux のインストールが始まります。うまく行かない場合(例えば WSL がすでにインストールされてて云々というメッセージが出る場合)は以下のように,インストールするLinuxの種類を指定して試して下さい。
wsl --install -d Ubuntu
しばらく待つと,再起動を促すメッセージがターミナルに表示されるので,再起動します.再起動後,しばらくするとターミナルが勝手に開き,Ubuntu のインストールが進行します(所要時間は数分〜10分ぐらい?)。インストールの最後の段階で,ユーザ名とパスワードが聞かれますので,適当なユーザ名(例えば ubuntu など)とパスワードを入力します。このパスワードは Linux 内でソフトをインストールする際などに必要ですので,覚えておいて下さい(簡単なものでいいと思います)
※ パスワードは安全のため,入力しても画面に表示されません(入力した文字はもちろん,入力していることを表す * という記号も表示されません)。しかし,ちゃんと入力されていますので間違えないように入力しましょう。
参考(他にもたくさん):
2.Linux インストール後に必要なこと
必要なソフトウェア(コンパイラ等)のインストールや設定を行います.以下のコマンドを Linux のターミナルで順番に実行しましょう.Windows のメニューから Ubuntu を起動すれば Linux のターミナルが開きます.最初のコマンドを実行したときに,さきほど設定したパスワードを聞かれるので入力します(パスワードは画面には表示されませんが気にせずに入力して Enter を押します).
code:sh
sudo apt update # パスワードを聞かれる
sudo apt upgrade -y
sudo apt install -y language-pack-ja
sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
sudo dpkg-reconfigure tzdata # タイムゾーンの設定.Asia -> Tokyo を選ぶ
sudo apt install -y build-essential
sudo apt install -y manpages-ja manpages-ja-dev
参考:
3.エディタのインストール
次にエディタをインストールしましょう.何でもいいのですが,ここでは VS Code をおすすめします.次のページを参考に.
もし VS Code は使いたくない(使い方が分からない)いう場合は,Ubuntu をインストールしたときに nano というエディタが一緒にインストールされているので,これを使っても構いません.nano はターミナル内で使えるエディタです.次のようにターミナルで実行すると,program_name.c という名前のファイルを作成あるいは編集できます.
nano program_name.c
nano は GUI ではない(マウス操作はできない)ので,すべてキーボードで操作します.
参考:
4.コンパイル
エディタでプログラムを作成したら,いよいよコンパイルです.コンパイルは Linux のターミナルで行います(Windows のメニューから Ubuntu を起動したら開くのが Linux のターミナル).
コンパイルのコマンドは cc(または gcc)です.次の program_name.c の箇所は自分のプログラム名に書き換えてください.
cc program_name.c
もし「コマンド cc が見つかりません」のようなエラーが出るときは,コンパイラーのインストールができていません(手順 2 を見直し).「そのようなファイルはありません」のようなエラーがでるときは,ls を実行して,そのディレクトリにコンパイルしたいファイルがあるのか確認しましょう.なければ,cd でプログラムのあるディレクトリに移動しましょう.
なお,Windows のファイルシステムと Linux のファイルシステムは独立しているので,相互にアクセスが必要なときは以下を参照してください.
Linux から Windows のディレクトリにアクセスする方法
Cドライブ(普通 Windows がインストールされているドライブ)は,/mnt/c にマウントされているので,Linux のターミナルで cd /mnt/c/Users/ユーザ名 のようにすれば,Windows でのホームディレクトリに移動できます.
Windows から Linux のディレクトリにアクセスする方法
エクスプローラのアドレスに \\wsl$ を入力で Linux のルートディレクトリ / にアクセスできます.ネットワークドライブとしてマウントされるようです.
参考:
その他の参考情報